大阪地方裁判所 昭和25年(ワ)2103号 判決
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(事實)
原告はその所有に係る本件家屋二戸を昭和十四年頃他の一戸をその後被告に賃貸し、そのうち、本件以外の一戸は昭和二十五年二月中返還を受けたので同月以降は本件の二戸のみを被告に賃貸していた譯であつて以上三戸の賃料は昭和二十四年十一月當時一戸につき月二百圓であつたが、被告は同月一日以降昭和二十五年一月末日迄の賃料一ケ月六百圓計千八百圓、昭和二十五年六月分四百圓以上合計二千二百圓を支拂わなかつたので、原告は被告に對し昭和二十五年七月四日附翌五日書面で三日を期限とする右賃料の催告及その不履行を條件とする賃貸借契約の解除の意思表示をしたがその效なく、右賃貸借は同月八日の終了と同時に終了した。と主張し、被告に對し家屋明渡と未拂賃料及び同相當額の損害金の支拂を求めた。
(判斷)
原告敗訴。
裁判所は原吾の催告にかかる賃料のうち、昭和二十四年十一月分の六百圓は昭和二十五年一月末日、同年一月分の六百圓は同月末日又はその頃支拂われており、前記三戸の昭和二十四年六月一日以降昭和二十五年七月末日までの賃料統制額が一ケ月一戸につき百六十五圓であつて、之につき爲された二百圓の合意のうち右統制額を超える部分は無效であると斷じた後、原告の家屋明渡と損害金請求については
「被告が昭和二十五年七月二十九日右各家屋に對する昭和二十四年十二月分及昭和二十五年六月分の各賃料として右統制額に相當する金員を辨濟のため供託したことは當事者間に爭なく唯右供託は前示原告の催告期間の滿了の後であること明らかであるが既に説明のとおり原告の催告中には既に被告が支拂を了したもの(昭和二十四年十一日分及昭和二十五年一月分)があり又その未了の分についても統制額を超える金額であつて、被告において眞に支拂義務ある金員を原告に提供しても、他に特別の事情の認められない本件においては、原告によりその受領を拒まれるであろうことは推察するに難くないのであるから、被告の右供託が原告の催告期間經過の後であること及右供託に先立つて持參提供が行われなかつたということのみでは原告の賃貸借解除の意思表示の條件が成就し從て賃貸借が終了したということはできず、右賃貸借は繼續中であつて被告の抗辯はその理由があるから失當である」と判示し、なお、原告の賃料請求については被告が昭和二十五年二月一日以降同年五月末日まで一ケ月四百圓の割合による約定賃料を支拂い、同年七月分についても、「それが事前に持參提供しても原告によりその受領を拒絶せらるべき事情にあること」前示のとおりであるから統制額相當賃料の辨濟供託によつて消滅したことを昭和二十四年十一月乃至昭和二十五年一月及び六月分の賃料債權の消滅したこととあわせ認めて原告の請求を排斥した。